With Regard Toの意味と使い方|ビジネス例文・違いを徹底解説
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 意味と役割:「〜に関して」「〜について」を意味するフォーマルな複合前置詞句で、ビジネスメールや契約書で重宝される。
- 混同注意:末尾に「s」を付けた「with regards to」は文法的に非標準とされるケースが多く、公式文書では単数形の「regard」が鉄則。
- 使い分け基準:簡潔さを優先するなら「regarding」、話題を提示して論点を整理するなら「With regard to,」が最も効果的。
【基礎知識】with regard toの意味と文法上の役割|前置詞句としての基本
「with regard to」は、英語の文法上複合前置詞(Compound Preposition)として扱われ、日本語では「〜に関して」「〜について」「〜の点においては」と訳されます。前置詞「about」のフォーマルなバリエーションとして位置付けられており、公的な会議の議題提起、契約書の条項、顧客宛ての正式な案内文などで頻繁に用いられます。
文法上の絶対的なルールとして、末尾の「to」は前置詞であるため、直後には必ず名詞、代名詞、または動名詞(-ing)が続きます。不定詞(to+動詞の原形)と混同して動詞の原形を置いてしまうミスは学習初期に起こりやすいため、注意が必要です。
また、文頭に置く際の表記ルールも明確に決まっています。文頭で話題を切り出す役割を果たす場合、「With regard to [名詞], [主節]」のように、名詞句の直後にカンマ(,)を打つのが標準的な記法です。このカンマによって主節の主語と修飾句の境界が明確になり、読み手への認知的負荷を軽減できます。

【徹底比較】regarding・in regard to・as forとの決定的な違い
英語圏のスタイルガイド(Chicago Manual of StyleやAP通信スタイルブックなど)やコーパス言語データの分析から、類似表現との位置付けを整理しました。以下の比較表で、硬さのレベルや推奨される使用場面を確認できます。
| 表現 | フォーマル度・語数 | 文法上の特徴・ニュアンス | 推奨される使用場面 |
|---|---|---|---|
| with regard to | 高(3語) | 客観的かつ丁寧。論点を明確に提示する | 公式書簡、契約書、改まったビジネスメール |
| regarding | 中〜高(1語) | 1語で簡潔。件名や本文で最も汎用性が高い | 日々の業務メール、件名(Subject) |
| in regard to | 高(3語) | 「with〜」とほぼ同義。アメリカ英語でやや好まれる傾向 | 公式文書、レポート、意見書の冒頭 |
| as for | 中〜低(2語) | 「〜はというと」。強い話題転換・対比を含む | 口頭会議、社内チャット、対比的な話題変更 |
| about | 日常(1語) | 最も自然で平易。ただし公式文書では軽すぎることも | 日常会話、カジュアルな社内連絡 |
特に意識したいのが「as for」との違いです。「as for」は「他はともかく、〜に関しては」という強い対比や話題の切り替えを伴うため、文脈によっては「突き放した冷淡なトーン」に聞こえるリスクを孕みます。顧客宛てや目上の相手に対する連絡では、「with regard to」を選択するのが確実です。
【実践】ビジネスメールで失礼にならない使い方と即戦力例文
実務の現場でそのまま活用できる、洗練された例文をシチュエーション別に整理しました。
【パターン1:前回の打ち合わせや問い合わせへの返信】
「先ほどお問い合わせいただいた新規プロジェクトのスケジュールに関して、最新の進行状況を共有いたします。」
With regard to your inquiry about the new project timeline, I would like to share the latest progress update with you.
【パターン2:契約書や見積書の確認事項を指摘する】
「修正版の見積書につきまして、お支払い条件に関するご質問が2点ございます。」
With regard to the revised quotation, we have two questions concerning the payment terms.
【パターン3:仕様変更やポリシー改定の公式通知】
「来月から施行されるセキュリティポリシーの変更に関しまして、全従業員は添付のガイドラインを遵守してください。」
With regard to the security policy changes effective next month, all employees are required to comply with the attached guidelines.

【実態検証】ネイティブの現場目線と日本人学習者が陥る3大トラップ
外資系企業の法務・広報担当者や英語編集の現場から報告される、日本人が特に引っかかりやすい誤用パターンを検証します。
トラップ1:結びの挨拶「Regards」との混同による「with regards to」
メールの結び言葉である「Best regards,」「Kind regards,」に引っ張られ、前置詞句にも「s」を付けて「with regards to」と書いてしまう事例が後を絶ちません。現代の口語では許容される場面も増えているものの、フォーマルな出版物や厳格なビジネスシーンでは「文法的なケアレスミス」と見なされるリスクが残ります。
トラップ2:メール1通の中での多用による冗長化
「with regard to」は3単語を消費する重いフレーズです。1通のメール内で2回も3回も繰り返すと、文章全体が重苦しく、形式張った印象(Wordiness)を与えてしまいます。1通のメールで論点が複数ある場合は、2回目以降は「Regarding」や「Concerning」、あるいはシンプルな「About」へと語彙を散らすのがスマートなライティングの鉄則です。
トラップ3:文頭におけるカンマ抜けによる可読性低下
英語のビジネスライティングでは、文頭の前置詞句の後にカンマを置かないと、読み手が動詞を探す視線移動で躓く原因になります。特に主語が長い名詞節である場合、カンマの有無が読みやすさを決定づけます。
【言い換え術】文脈で使い分ける類語・同義語バリエーション一覧
状況や文字数の制約に応じて適切な類語を選択することで、ビジネス文書の洗練度は格段に向上します。
1. Concerning
「with regard to」とほぼ同じフォーマル度を持つ1単語の前置詞です。「〜に関する懸念事項」など、少し深刻なニュアンスを含むトピックとも相性が良いのが特徴です。
(例:I am writing to express my concerns concerning the recent delivery delay.)
2. In terms of
「〜の観点から見ると」「〜の側面では」という限定的な視点を提示したい場合に最適な表現です。コスト、品質、納期など、評価軸を絞り込む際に威力を発揮します。
(例:In terms of cost-efficiency, the second proposal is clearly superior.)
3. As to
文頭で「〜について言えば」と手短に話題を持ち出す際に使われます。文語的な響きがあり、報告書や分析レポートで頻出します。
(例:As to the cause of the system failure, the investigation is still ongoing.)
一般に知られていない盲点とネットの誤解|「with regards to」は本当にNGか?
インターネット上の英語学習コミュニティでは、「with regards to は完全な間違い」とする意見と「ネイティブも普通に使っている」という主張が対立することがあります。この実態を言語学的な視点から紐解きます。
言語規範(Prescriptive grammar)の立場では、「with regard to」が唯一の正書法です。「regard」が「配慮・考慮」という抽象概念を表す不可算名詞として機能しているためです。一方、記述文法(Descriptive grammar)の観点では、日常会話やカジュアルなメールにおいて「with regards to」が広く流通しているのも事実です。
しかし、相手が厳格なスタイルを重んじる取引先や法務部門である場合、あえて議論の余地がある表現を選ぶメリットはありません。プロフェッショナルなコミュニケーションにおいては、常に規範的な「with regard to」を選択するのが最も安全なリスクヘッジです。
【プロの結論】おすすめできる場面・慎重になるべき場面の判断基準
【積極的に使うべきシチュエーション】
- 新規取引先や役員クラスに対する公式なビジネスレター・案内文
- 契約条項、規約改定、法的覚書の作成
- 複数のアジェンダが存在する会議の冒頭で、明確に論点を整理・提示したいとき
【使用を避けるか別の表現を検討すべきシチュエーション】
- チャットツール(SlackやTeamsなど)でのスピード重視の日常連絡(「About」で十分)
- メールの件名欄(文字数制限があるため、1語の「Regarding」や「Re:」が適当)
- 親しい同僚とのカジュアルな意見交換(形式張りすぎて距離感を生む原因になる)
【with regard to】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:文頭に置くときは必ずカンマが必要ですか?
A1:はい、原則としてカンマを打ちます。「With regard to [名詞句], [主節]」の構造にすることで、前置詞句が終わり主節が始まる境界が視覚的に明確になり、ビジネス文書としての正確性が担保されます。
Q2:メールの件名に「With regard to ...」と書いても失礼ではないですか?
A2:失礼ではありませんが、スペース効率の観点から推奨されません。メールの件名はスマホ画面での一覧性を考慮し、1語で済む「Regarding: [案件名]」や「Update on [案件名]」とするのが近年のグローバル標準です。
Q3:「with regard to」の直後に「that節」を続けることはできますか?
A3:直接that節を置くことはできません。「to」は前置詞であるため、that節を続けたい場合は「with regard to the fact that ...」のように「the fact」を挟む必要があります。
まとめ:洗練されたビジネス英語で信頼を勝ち取るために
「with regard to」は、相手への敬意と論理的な正確さを同時に伝えられる強力なビジネス表現です。単数形の「regard」を徹底し、文頭でのカンマ配置を忘れず、文脈に合わせて「regarding」や「in terms of」と柔軟に使い分けることで、英文の品格は一段と高まります。
細部の文法精度へのこだわりは、そのままビジネスパーソンとしての信頼性へと直結します。状況に応じた最適な語彙選択を武器に、より円滑で確実なグローバルコミュニケーションを実現してください。 (出典: with regard to(Yahoo!ニュース))