ベンチプレスの棒は何キロ?ジム別の違いと怪我を防ぐ重量計算術
トレーニングジムでフリーウェイトエリアに足を踏み入れた際、多くのトレーニーが一度は抱く疑問が「ベンチプレスの棒(バーベルシャフト)は何キロあるのか」という点です。「プレートの重さだけを足せばいいのか」「棒の重さも自己ベストに含めていいのか」という計算の迷いは、初心者はもちろん、通うジムを変えた中級者でも直面しやすい盲点といえます。
現場を取材すると、一般的なバーの重量は20kgが基本である一方、施設や器具のタイプによって10kgや15kg、あるいはスミスマシンの特殊なカウンター機能によって実質重量が数キロ程度に設計されているケースも少なくありません。この規格差を正しく把握せずにプレートを装着すると、想定以上の負荷がかかって肩や手首を痛める原因になります。主要ジムごとの実態や正しい計算ルールを網羅して解き明かします。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:標準的なフリーウェイトの棒はオリンピックシャフト20kgが主流だが、女性用(15kg)やホームジム向け(10kg前後)も混在する。
- 要点2:公式記録や一般的な会話ではバーベルシャフト重さ含む総重量を「ベンチプレスの重量」と呼ぶのが世界共通のルールである。
- 要点3:エニタイム、ゴールドジム、チョコザップなど施設ごとに導入マシンや棒の構造が異なり、特にスミスマシンの初期負荷の誤認は怪我に直結する。
【基本規格】ベンチプレスの棒の重さは何キロ?バーベルシャフトの基本構造
本格的なトレーニングジムでベンチプレス台に常設されている棒は、国際規格に準拠したオリンピックシャフト20kg(全長約2,200mm、スリーブ直径50mm)が最もポピュラーです。男性向け競技用サイズとして普及しており、左右の太いスリーブ部分に回転ベアリングが組み込まれているため、手首への負担を逃がす構造を備えています。
一方で、バーベルの棒には利用者の体格やトレーニング種目、設置スペースに合わせた多様な派生規格が存在します。主な規格の違いを押さえておくことが、正確な重量把握の第一歩となります。
- パワーリフティング公認バー(20kg):ELEIKO(エレイコ)やBULL(ブル)に代表される競技専用バー。しなりが極めて少なく、ローレット(滑り止めのギザギザ)が深く手に食い込むのが特徴です。
- 女性用バーベル15kg:全長約2,010mm、シャフトの握り径が25mmとやや細身に設計された規格。手の小さな女性やジュニア選手が握りやすく設計されています。
- スタンダードバー10kg:スリーブ径が28mmで、主にホームジムや一部の公共スポーツセンターに置かれる軽量タイプ。プレート装着部分が細く、シャフト単体の重量は8kg〜10kg前後が中心です。
- EZバー重さ(約6〜10kg):W字型に湾曲したバーで、主に腕のトレーニング(アームカールやライイング・トライセプス・エクステンション)に使用されます。メーカーによって重さにバラつきがあります。
- バーベルカラー重さ(約0.5〜2.5kg):プレートの脱落を防ぐ留め具(カラー)。スチール製の競技用カラーは左右一対で合計5kg(片側2.5kg)ありますが、ジムでよく見かけるプラスチック製クリップカラーは左右合わせても100〜300g程度のため、日常のトレーニングでは計算から除外されるケースがほとんどです。

【主要ジム別比較】エニタイムやゴールドジム、チョコザップの器具スペック検証
通うジムの業態や設備投資の方向性によって、ベンチプレス周りの器具環境は劇的に異なります。全国展開する代表的なフィットネスジムのシャフト事情とマシンスペックを一覧表で整理しました。
| ジム名・施設ジャンル | 詳細・数値データ | 導入器具の傾向・シャフト仕様 | 編集部の見解・評価 |
|---|---|---|---|
| ゴールドジム | 20kg(IVANKO、ELEIKO等) | 公認競技用シャフト完備、プレート誤差も極小 | ゴールドジムバーベル重さはほぼ確実に20kg。競技者基準のシビアな重量管理に最適。 |
| エニタイムフィットネス | フリーバー:20kg スミス:9kg〜20kg | Life FitnessやHammer Strengthが標準採用 | エニタイムベンチプレス棒重さはフリー台なら20kg。ただしスミスマシンは店舗マシン型番に依存。 |
| chocoZAP(チョコザップ) | スミス:約5kg〜10kg (フリー台なし) | 安全配慮型のスミスマシン(自社特注・導入店舗限定) | チョコザップベンチプレス重さはフリーバー非設置。初心者向けに初期負荷がかなり軽めに設計。 |
| 市営・公立体育館 | 10kg / 15kg / 20kg | 28mm細径バーや国産メーカー(タフスタッフ等)混在 | 年式や型番が混在しやすく、棒の刻印やスタッフへの確認が欠かせない現場。 |
【重量計算の真相】バーベルシャフトの重さは含む?正しいベンチプレス重量計算方法
初心者が最も戸惑うのが、「『ベンチプレス60kgを挙げた』というとき、棒の重さは足していいのか」という疑問です。結論から述べると、バーベルシャフト重さ含む数値で換算するのがウェイトトレーニングの公式ルールであり、国内外の共通認識です。
棒そのものが20kgの物体である以上、腕や胸にはその質量がダイレクトに負荷としてのしかかります。そのため、プレートのみを合算する計算方法は誤りです。
【標準的なベンチプレス重量計算方法の具体例】
「シャフト重量(20kg)」 + 「左右のプレート合計重量」 = トレーニング重量
・シャフト(20kg)+ 左右に10kgずつ(20kg)= 40kg
・シャフト(20kg)+ 左右に20kgずつ(40kg)= 60kg(日本人男性の初級目標ライン)
・シャフト(20kg)+ 左右に40kgずつ(80kg)= 100kg(上級者の大台)
もし棒の20kgを除外して「プレートだけで60kg」をセットした場合、実際の総重量は80kgに跳ね上がります。これは2階級以上重いウェイトを突然扱うことに等しく、肩峰下インピンジメントや大胸筋断裂といった深刻なトレーニング障害を引き起こす最大の要因です。
【実態検証】ジム現場の生の声とSNSで見えた「重量換算の落とし穴」
フィットネスブームの定着に伴い、SNS(XやInstagram)やネット掲示板では重量計算に関する生々しい体験談が日々投稿されています。現場取材とネット上の声から見えてくるのは、「ジムを移籍した瞬間に自分の筋力を見失う」という現象です。
「普段通う24時間ジムのスミスマシンで80kgが挙がっていたので、ゴールドジムのフリーベンチで80kgに挑戦したら胸の上に落ちてきて潰れた」「公立ジムの細い棒(10kg)で練習していた感覚のままエニタイムの本格バー(20kg)を持ったら、1レップも上がらなかった」という声は枚挙にいとまがありません。
特に危険視されているのが、軌道が固定されているマシンとフリーウェイトの混同です。知恵袋等でも「棒の重さが分からないままプレートを挿していた」という相談が後を絶ちません。器具ごとの初期重量を正確に認識できていないトレーニーが潜在的に多数存在している実情が浮き彫りになっています。
一般に知られていない盲点とネットの誤解|スミスマシンの実質負荷とカウンターウェイト
ベンチプレス愛好家の間で最も誤解が蔓延しているのが、スミスマシン棒の重さに関する評価です。「スミスマシンも太い棒だから20kgだろう」と思い込んでいると、正確な負荷設定が破綻します。
スミスマシンには主に以下の2つの設計方式が存在し、それぞれ棒の「手応え」が全く異なります。
- カウンターバランス内蔵型:ワイヤーと滑車を通じてマシンフレーム内部に重りが仕込まれており、棒自体の重さを相殺する構造。Life Fitness社などの高級機に多く、バー単体の初期負荷は約2kg〜9kg程度まで軽減されています。女性やリハビリ中の利用者でも安全に押し上げられる設計です。
- ノンカウンター型(垂直・傾斜式):重りによる相殺がなく、ガイドレールとスチールバーの重量がそのまま手に乗る構造。この場合、棒の初期負荷は約15kg〜20kgとなります。
スミスマシンのフレーム側面や支柱上部には、メーカー公式のステッカーで「STARTING RESISTANCE: 15 LBS (7 KG)」といった表記が刻印されています。プレートをセットする前にこのラベルを確認する習慣をつけなければ、自分が一体何キロを押し上げているのかを正確に記録することは不可能です。

【プロの結論】ジム選びとトレーニングログ記録で失敗しないための判断基準
ベンチプレスにおいて棒の重さを正確に把握する行為は、単なるマニアックな数値合わせではありません。自立したトレーニーとして怪我を避け、着実に身体を進化させるための「基礎安全管理」そのものです。
【プロの結論】フリーウェイトに向いている人・マシンを中心とすべき人の判断基準
ジムの設備やバーの規格を踏まえ、自身がどのようなアプローチをとるべきか、以下の客観的基準を参考にしてください。
- 20kgオリンピックバーをおすすめできる人:
- 筋肥大だけでなく、身体の連動性やスタビライザー(体幹・肩インナーマッスル)を鍛えたい人
- 将来的にパワーリフティング大会や公認記録への挑戦を視野に入れている人
- どのジムへ行っても再現性の高い正確なトレーニングログを残したい人
- スミスマシンや軽量バーから始めるべき人:
- 過去に肩関節脱臼や腱板損傷、手首の腱鞘炎などの既往歴がある人
- チョコザップ等のコンビニジムを中心に、手軽な運動習慣を定着させたいライト層
- 左右の筋力アンバランスが大きく、バーの傾きによる転落リスクを未然に防ぎたい初心者
他者に見栄を張るために重いプレートを無理に装着する「エゴリフティング」は、事故の温床です。「バーベル自体の重さを厳格に組み込み、1キロ刻みで着実に記録を積み上げる」という論理的な姿勢こそが、怪我なく最大の筋成長を引き出す最短ルートとなります。
【ベンチ プレス 棒 の 重 さ】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:ベンチプレスの棒の重さが何キロか分からないときはどう調べればいいですか?
A1:バーのスリーブ端面(キャップ部分)に「20KG」「15KG」と刻印されているケースが多いため、まずは端を確認してください。記載がない場合、シャフトの直径をチェックします。握る部分が約28mm〜29mmでプレートを挿すスリーブが約50mmの太さであれば20kgのオリンピックシャフトです。確実を期すならジムスタッフに確認するか、体重計にシャフトを片側ずつ載せて合算計測するのが現場での確実な判別法です。
Q2:女性が初めてベンチプレスをする場合、20kgの棒だけでも重すぎませんか?
A2:運動経験のない女性にとって、20kgのシャフト単体は十分に重く、支えきれずにバランスを崩すリスクがあります。その場合は、15kgの女性用バーベルを探すか、可変式ダンベルを使ったダンベルプレス、あるいは初期負荷が数キロに相殺されたカウンターバランス付きスミスマシンからステップアップすることをおすすめします。
Q3:ベンチプレスの記録をメモするとき、カラー(留め具)の重さも足すべきですか?
A3:一般的なジムに置いてあるスプリング式クリップや樹脂製ロックカラーは数百グラム程度のため、日常のトレーニング記録では足さずに「シャフト(20kg)+プレート重量」で計算するのが通例です。ただし、パワーリフティング競技用の金属製スクリューカラー(一対で5kg)を使用する場合は、公式ルール通り総重量に合算して記録します。
まとめ:今後の動向と失敗しないための判断基準
フィットネス環境が多様化した2026年現在、マシンの規格やシャフトの仕様は施設ごとに細分化されています。だからこそ、「ベンチプレスの棒=すべて20kg」と思い込む固定観念を捨て、自分が今どの規格の器具を扱っているのかを常に確認する知性が求められます。
「シャフトの重さを含むのが世界共通の基本ルールであること」「スミスマシンにはカウンター機能による重量差があること」の2点を頭に刻み、安全かつ確実なウェイト設定で日々のトレーニングを積み重ねてください。 (出典: ベンチ プレス 棒 の 重 さ(Yahoo!ニュース))